オブラブイベントの中の人からちょっと外の人へ
今回も、オブジェクト倶楽部クリスマスイベント2007を無事に開催することができました。
http://www.objectclub.jp/event/2007christmas
今回は、規模を小さくトラックも1本にしてみました。変えたことでイベントがどうなったのか、参加者のみなさんの声を聞かないとわかりませんが、個人的には「全員でワールドカフェをしたのは良かったなー」とか思ってます。
今回はスタッフの人数が多かったこともあり、わりと参加者のノリで楽しんでしまいました。
LEGOマインドストームで遊ぼう! ロボダンス公演
今回のイベントで個人的にいちばん力を入れたのは、じつはイベント後にやった「LEGOロボダンス・ペア公演」だったりします。こないだからLEGOマインドストームで遊ぼう!という会で、LEGOロボットを組んだりプログラムを書いたりビールを飲んだりして遊んでるわけです。
LEGOロボットにはhttp://www.etrobo.jp/top.htmlという由緒正しく規模も大きいイベントがありますが、冬季ETロボコン大会・ロボダンスペアとかあってもいいんじゃね?というネタから盛り上がったのでした。essenceさんのブログに動画があります。ぜひ見てみてね。
http://eiichi.air-nifty.com/diary/2007/12/post_ebe7.html
http://eiichi.air-nifty.com/diary/2007/12/post_fc8b.html
LEGOロボ2台はまったく同じ構成(飾りつけだけ違う)で、2輪にそれぞれモータを直結してます。前輪は自由に方向転回できるようになってます。これの角度しだいで、前進してもちょっと曲がったりと、微妙に動きが変わるので、じつは難しい。
プログラムはJavaで書いてあります。ダンス用のフレームワークを作ったんですが、「音楽に合わせる」と言っても、実際は曲の1小節単位のタイミングデータを全部とって、それに合わせてステップを実行するだけ。ステップも、両輪の回転方向とパワーを指定するだけで、パワーはあんまり意味がなかったりして、なかなか「動きがイメージ」しづらいのですよ。
ふだん、仕事でWeb系とかのプログラムを書いてると、プログラムの動作って画面とかせいぜいログとかで、把握してると思うんですよね。でも、こういうロボット相手だと、まさに
プログラムは書いたとおりに動く
という法則の本当の意味が感じられます。いかにロジックが完璧でも、実世界が相手だとこんなことが起きるのかー!というビックリ感、それをなんとか克服して思い通りに動いたときの興奮。解決すべき問題と、ソースコードの距離が、すごく近い。プログラミングって、別次元の楽しさもあるんです。組み込み系をやったことがない、業務系とかWeb系の人には、ぜひ一度体験してみてほしい。そんな気持ちでやってるので、ぜひ「LEGOマインドストームで遊ぼう!」の会に、遊びに来てください。歓迎しますよ〜。
このへんhttp://www.yattom.jp/lego/browser/trunk/project/dance2007からソースを閲覧できます(zipで一括ダウンロードも可)。essenceさんが作ったシミュレータも入っているので、LEGOマインドストームがなくても雰囲気はつかめると思います。
イベントの講演について
スタッフとして裏にいたりして、聞けなかった部分も多いので、内容については、印象に残ったところだけ。
平鍋さんの基調講演
オブジェクト指向はテスタビリティを向上するための技術である、ということ。現在の業界(ってどこだよ、というのは置いといて)の最大の問題がテスタビリティ≒品質確保であり、オブジェクト指向はこの局面でもまた、有用性を発揮できている、ということなのかなと思った。OO厨々トレインの過去篇みたいだけど、実装の問題をOOが解決し、設計の問題をOOが解決し、要求の問題は微妙ですけれど、品質の問題ではOOがまた頑張ってる、みたいな。
品質を確保しやすくなることによって、エンジニアの仕事の内容と量が安定し(減らせるかどうかは、わからない)、QoELを向上することができる。そんなシナリオは素敵だと思う。LTの佐々木さん(一番印象的だったんだけど)の「このフレームワークのおかげで子供が喜ぶ」という風景にも通じるね。
酒匂さんの主賓公演
「形式手法はコミュニケーションを助ける」と言われて、えっと思った。そういう認識はなかったし、なにより意表を突かれた。オブジェクト倶楽部イベントだから、そういう内容になってしまう、のではなく、そういう人がやっぱり集まってくれるんだなあ。
言葉の定義を厳密にできることだけではなく、言葉が書き手のアイデンティティを失うことによって、仕様の問題を指摘して議論しやすくなる。いいなあこれ。あんなところやこんなところで使えないかなあ、とか、妄想が広がる。
オブジェクトの広場によるOO厨厨トレイン
過去が燃えたw 調査の広さと深さがすばらしかったです!
ライトニングトークス
感動したのは五十嵐さん。ちょっとうるうるしました。
最高だったのはのぼるちゃん。オブラブをそんなに嫌ってくれてありがとう!(笑)
だけど、一番印象に残ったのは、佐々木さんだったのです。Javaフレームワークの話のところは、ある意味ほほえましく思いながら聞いてたのだけど、最後にガツンと来ました。
「このJavaフレームワークのおかげで、仕事がはかどり、バグが発生せず、早く帰ることができて子供が喜ぶ」
自分が作ったなにかで、エンジニアの人たちが「これのおかげで子供が喜ぶ」と言ってくれるのが夢だ。そう決めた。
よく、フレームワークとかミドルウェアとかは、顧客価値を提供しない、ユーザストーリにはならない、ムダである(顧客から見たら、の話)、という話がある。これはまったくその通りで、フレームワークとかミドルとかツールとかインフラとかは、その上に乗ったアプリを支えるために存在するのである。
そうしたら、「フレームワークの顧客」は誰だ。それは開発者、エンジニアだ。開発者が楽になるために、開発の作業を効率的にするために、わざわざ「ムダ」にコストをかけるのだ。
以前は、フレームワークというものが大好きで、いろいろ試してみたり工夫したりしていた。それで開発者の負荷を軽減できていたかというと、まあできてたときもできてなかったときもあると思う。今では、フレームワークという枠にとらわれず、エンジニアの仕事を楽しくすることを、仕事にしたいと考えている。価値のある、楽しい「ムダ」を作ることができたらいいなあ。
Reject Talks
このノリはなんだw いいぞいいぞ!またぜひやりたいね。
PFP冬の宴
PFP関東のみなさんに尽力していただき、オブラブイベント懇親会の受け皿的イベントをやっていただきました。やっぱ懇親会がなくちゃね!と、ちょっと反省。いや、結局宴があったからいいのか?よくわからない。
いろんな方とお話ができて、ロボダンスもまた披露して、楽しかったですー!PFPのみなさん1000q!