デブサミに参加してきました

あらためて、デブサミ2009の感想を書きたいと思います。

今回、自分にとっては「話してきた」ということが一番大きいわけです。いままではセッションの受講とコミュニティとしての参加だったわけで、まあコミュニティは「身内」感もあるけれど、それでも待遇はお客様なんですよね。まあ、コミュニティはコミュニティで、微々たるものですができる範囲でデブサミに貢献してます(宣伝とか客寄せとか)。

いっぽう、スピーカーとしての参加をしたことで、デブサミの「骨身」に近い部分に入り込んだ気がしています(もちろん、本当の中の人からしたらまだお客様なんだろうけど)。id:IWAKIRIさんやコンテンツ委員の人々からデブサミの想いを聞いたり、その中での自分の位置づけを考えたり、そのうえで「やりたいことやるんだもんねー」という言い分を聞いてくれる懐の深さがあったり。中の人には申し訳ないんだけど、キャッチフレーズ(今回は「つなぐ、つながる、そして未来へ」)をちゃんと意識したのって、初めてだったかも。

そんなふうに、デブサミの(ちょっと)内側に入り込んで思ったのは、デブサミって一枚岩でできてるわけではないんだなーということ。XPJUGの(良くも悪くも)内輪な感じではないし、オブジェクト倶楽部の「いまやりたいことがテーマだ!」というフラフラ感でもないのだけど、デブサミデブサミという「場」であって、そこにいろいろな人が引き寄せられていくのだと感じました。多様性があって、スーツもギークもわりと仲良くしていて、絢爛なバザールのよう。そうでありながら一本のブレない幹があって、葉のように広がる多様性が多様なままでいるのは、id:IWAKIRIさんはじめ中の人の想いが作る求心力なのかな、と思ってみたり。

ゲームやってきました

17日現在、下記のリンクにあるyatotm.jpがダウンしてます。明日には復旧できると思います。やっと復旧しました(19日未明)

初日午後のセッションで、最近凝っているプロジェクトゲームという、ゲームでプロジェクトのことをいろいろ見てみようよというアイデアから、プロジェクトポートフォリオというゲームを

  1. 紹介し、
  2. みんなで実際にやってみて、
  3. その気づきを共有する

ということをしました。

ゲーム、カードやサイコロを使うアナログなゲームというのものは、やって楽しいだけでなく、なにかを伝える媒体になり得ます。それに、ゲームは人と人のコミュニケーションを促進します。誰でも人生ゲームや、ババヌキや、オセロで興奮して一喜一憂した経験があるはず。

今回紹介したプロジェクトポートフォリオ、こんなことを伝えたくて作りました。

  • プロジェクトマネージャは楽じゃない
  • ユーザと開発者(ベンダー)が協力しなければプロジェクトはうまくいかない
  • 計画は大切、でも計画通りには行かない
  • 「これはゲームだけど現実にはなあっ」という話を現場でしてほしい

詳しくはslideshareの資料を見てください。

ゲームと気づき共有がメインなので、自分ではあまり話さなかったのですが、後半ふつふつとわき上がってきたのが「楽しさ」というメッセージでした。私のポリシーとして、楽しいことは上手く、効果的に、継続してできる、と思っています。だから、仕事を楽しくすれば、よりよい仕事ができるはず。

終わる前に、「楽しかった人?」と聞いたら、ほぼ全員の手が挙がりました。ありがとうございます。楽しさの中でなにかを伝えることを、感じてもらえたのではないかと思います。

朝のセッションで匠Labの萩本さんが、「この業界はクリエーティブなはずなのに、そうでなくなっているのが残念」という意味のことをおっしゃっていました。クリエーティブな仕事は、楽しさのある仕事だと思います。楽しさを取り戻すことが、IT業界の活性化につながる。そう信じています。

開発プロセスの心」

参加したセッションから、印象的なものを。基本、コミュニティブースにいて、あんまり聞いてないんですよね。

匠Labの萩本さん(豆蔵は辞めちゃったのかな…)のセッション。デブサミは、まあこれだけ聞けば元を取ったようなもんですね(タダだけど)。

ウォーターフォール、繰り返し型、アジャイルと、開発プロセスについてこれだけきちんと把握して整理した上で、バランスの取れた見方をできる人はあんまりいないんじゃないかなあ。最初は冷静な感じだったけど、(やっぱり)段々アツくなってきて、かっこよかった。

アジャイルについて。メリットはおいておいて、横展開ができないことがデメリットであるという指摘は、2つの意味でもっともだと思います。

  1. アジャイルはチームごと、プロジェクトごとに異なるのが本質。スポンと切り出してコピーしたら、その時点でアジャイルではない。
  2. アジャイルのプロセス導入やトレーニングやコーチや、ノウハウはあっても、「アジャイルになる」ためのプロセスが確立していない。コピーできないことを言い訳にせず、「アジャイルに育てる」ことは模索すべき。

James Shore氏「アジャイルの衰退と凋落」のような話を、まあ当然ご存じなんだろうけれど、アジャイル界(ってなに)への鋭いツッコミでした。

「パネルディスカッション 帳票開発の肝」

これは小井土さんと鋤柄さんによる、帳票を軸とした「ソフトウェア開発というお仕事」の話でした。「銀の弾丸はない」(出た!)、アーキテクチャ、ツールやテストからユーザーとの交渉の話まで。帳票からそんなに話を広げるなんて、ズルい!

小井土さんの普段のお仕事の話が聞けたのも面白かったなあ。最近は(幸運にも?不幸にも?)帳票に関わっていませんが、エンジニアたるもの帳票の100や200作ってみるべきですね。