『指輪物語 運命の旅』ソロプレイしてみました

ボードゲーム『指輪物語 運命の旅』開封し、1回ソロプレイしてみました。どんなゲームか知らず買っておいたもので、前情報もほとんどなしでしたが、久しぶりにワクワク感とドキドキ感を味わえました。ルールとかの話は基本触れずに、ゲームをやってみた体験や感じたことを簡単に紹介します。

どんなゲーム?

  • 1-5人の協力型ゲーム。今回は1人でやってみました
  • プレイ時間は60-150分ということですが、今回は開封から1回プレイして負けるまで、4時間くらいでした
  • 力の指輪を破壊すると勝利だが、その前に「目的」をいくつか達成しないといけない。まっすぐモルドールに向かえばいいわけではない
    • 目的はカードを引いて決めます。今回はカードを引くのではなくて、マニュアルにある初回プレイおすすめセットを選びました。「裂け谷でエルフを味方にする」「アイゼンガルドを占拠」「ゴンドール、ローハン、エルフの軍勢をそろえてサウロンに挑戦する」という3つの目的で、これは3つとも達成できたんですよね。
  • キャラクターもたくさんいて、プレイヤー1人で2キャラクターを動かします。今回はやはりおすすめの、フロド・サム、メリー・ピピン(これは2人で1キャラあつかい)、ガンダルフレゴラス、エオウィンでした
  • キャラクターが中つ国じゅうを駆けずり回っていろいろな条件を満たすのと同時に、軍勢を動かして拠点防衛したり攻め込んだりする要素もある。ファンタジーの王道が展開して胸熱
  • パンデミック型、ということです。私はパンデミック以外はわからないですが、ルールの理解がしやすいというくらいで、遊んだ感覚はずいぶん違った気がします

開封

箱が大きくて重いです。開けたら中身もギッシリでした。

バラドデュアを模したダイスタワーが (組み立て式)。ダイスタワーでダイス振るの嬉しいですよね。

マニュアルを読みながら1人プレイのセットアップをしました。ぜんぜんスペースが足らなかった。なんというか、中つ国の大きなマップ (ボード) に多様なコマが並んで、ナズグルが空を飛んでいるだけで、めっちゃテンション上がりますね!

黒くて大きいのは空飛ぶナズグル、小さくて赤・青・緑などがあるのは軍勢で、赤が敵、それ以外は自由の民の軍勢です。青がゴンドール、緑がエルフ、など。エドラスにはエオウィン、遠く左上 (北西) のホビット庄にフロド・サム、メリー・ピピン、ちょっと離れてガンダルフ。真ん中上の闇の森にレゴラス

敵の軍勢 (赤い小さいやつ) はカードを引いて配置するんですが、今回アイゼンガルドにすごい集まっちゃってヤバそうです。8個いるのかな。手前にエオウィンが茶色いローハン軍を連れていますが、かきあつめても3個しかいない。

旅の仲間は足が速い

ソロプレイでは1人で4キャラクター、加えてフロド・サムを動かします。4キャラクターは順番に動かせて、そのあいだにフロド・サムはちょっとずつ動かせる。誰かが活躍しているあいだにじわじわ進んでいく感じが、なかなかそれっぽいです。

とはいえ同じ場所にいるキャラクターは移動アクションで一緒に移動できるので、エリアドールにいるメリー・ピピンガンダルフがフロド・サムを連れてガンガン移動できます。ガンガン移動してすぐ裂け谷に到着。裂け谷ではハートを3つ使うとエルフが味方になるんですが、ハート?

このゲームにはリソースのようなものがあって、ハート、マント、武器、指輪の4種類があります。手札にこのいずれかがついているので、必要な時は手札で支払います。ハートがついたカードを3枚使えばいいわけです。しかし手札は上限7枚なので、思うようには集められない。そこで同じ4種類のトークンもあって、これはカードを「準備」アクションで使うとトークンに引き換えられます。安息地という、拠点みたいなところにいるときしか「準備」はできません (しばらく勘違いしてました。あとソロだと地域の縛りもある)。安息地は裂け谷とかロスロリエンとかミナス・ティリスとかそういうところ。

メリー・ピピンは特殊能力でハートを生み出せるので、カードも使って無事エルフを味方にしました。これで目的1つ達成です。さらにエルフの軍勢を招集して、しかもキャラクターと一緒に連れて行くこともできます。移動しながらどんどん軍勢を集めていけるのがダイナミック。敵軍勢と遭遇したら戦闘アクションができるんですが、戦わずにすれ違ってもいいので、ガンガン進めます (というふうにルールを理解したんだけど、合ってるのかな……?)。

というわけでアイゼンガルドをなんとかすべく、みんなでヘルム峡谷に集まったの図。エオウィンはローハン軍をじゃんじゃん招集できて、いまは5個に成長。アイゼンガルドにいた大軍勢が、いま1マス移動してます。カードによって敵軍も増えたり移動したりするんですね。

アイゼンガルド正面突破

メリー・ピピンはフロド・サムを連れてゴンドール方面に避難し、エオウィンとガンダルフでアイゼンガルドに向かいます。そしてアイゼンの浅瀬で衝突! 戦闘はダイスを振って解決します。勝ったり負けたりするんですが、ここに出た目は「ナズグル」で、一方的に被害が増えてしまいます。ところが! エオウィンには特殊能力があって、戦闘でナズグルが出てくると倒せてしまいます。ここでは1体倒しましたが、このあとすぐ2体目も倒してしまいました。アングマールの魔王は2人いたんですね。

エオウィンとガンダルフが一緒に軍勢を連れて移動しているので、戦闘の回数もふえてはかどります。さらに闇の森からエルフの弓兵を連れてレゴラスが参戦、ナズグルもめっちゃ集まってきました。レゴラスは特殊能力アクションで、敵の赤いのを1個倒したりナズグルを追い払ったりもできます。

そしてこの後、無事アイゼンガルドは占領でき、安息地となりました。敵が湧いてこなくなるのがありがたいですね (ここはパンデミックの根絶とちょっと近いのかな? でも条件がだいぶ違うなあ)。占領するときは武器リソースが必要ですが、ちょうどめくったカードに入ってて助かりました。トークンは1個も持ってなかった。アイゼンガルド占領で、2つめの目的が達成できました。なおアイゼンガルドとローハンは別領域になっていて、ナズグルが着いてこなかったので、エオウィンのナズグル狩りはできませんでした。

動かなければ見つからないが進まないと勝てない

この間メリー・ピピンはゴンドールへ逃走、フロド・サムはミナス・ティリスにずっと籠もっています。動かなければ敵に見つかる心配もないし……そうそう、フロド・サムは指輪のせいで敵に見つかる心配があるんですね。移動するとき、敵軍勢やナズグルがいると、「見つかっちゃうダイス」を振ることになります。ダイスの目によってはフロドが希望を失ってしまいます。希望がゼロになるとゲームオーバーなんですが、マントを使ってダイスをパスしたり、ハートでサムにかばってもらったりという選択肢もあって、これまた悩みどころです。

さっきはローハンのドンパチでナズグルもサウロンの目もそっちに引きつけられていて、フロド・サムにとっては動きやすかったんですね。そっちを片付けたエオウィンとガンダルフがゴンドールに入ってきたのに合わせて、フロド・サムはするっとイシリエン (オスギリアス) へ移動。敵もナズグルもいなければ、ダイスは振らなくていいのでした。

ガンダルフはゴンドール軍を集めに南へ行きました。ガンダルフは飛陰のおかげで、1人のとき足が速いのです。強い。

そして北イシリエンに大軍勢が終結。これで3つめの目的「サウロンに挑む」を達成! ゴンドール、ローハン、エルフの軍勢を決められた数連れてくるのが条件です。ガンダルフが連れてるぶんはなくてもよかった。遅れてきたガンダルフ、いえいえもちろんねらい通りに決まっている。隠れてたフロド・サムと出会えてますね (ゲーム的には意味はない)。

いよいよ滅びの山で指輪を滅ぼす……あれ、指輪持ってる?

これでモルドールの敵軍がすべてウデュンに集まり、フロド・サムの通る道ががら空きになります。この一瞬はナズグルもいないので見つかる心配なし。ただしミナス・モルグルに向かう道はマントのアイコンが2つ書いてあります。これは通るだけでマントが必要ということ。トークンとカードを貯めているけれど、滅びの山まではけっこう遠いしまだまだマントが必要だなあ。大丈夫かな。

北イシリエンに終結した自由の民の軍勢と、ウデュンの赤いかたまり。さあ総力戦だ!と思ったら、北イシリエンとウデュンの間の道はマントが4つ必要とのこと。そんなに払えないよ。敵軍も移動してこないし、なんとここで一戦も交えずにらみ合いです。戦闘にならないからサウロンの目も引きつけられないし、ナズグルもモルドールに集まってきちゃった。マントが足りないので動けないフロド・サム。

そして最後の指輪を滅ぼす条件をよく見たら、指輪リソースが5個必要とのこと。指輪リソース? そんなの持ってないぞ……と気づいたメリー・ピピン、リョバニオンからドル・グルデュア、モリアを抜けてルダウアと、トークンを集めに奔走します。いちばん危険なところを通ってないかい君たちすごいな (なおルールの勘違いをしていて、準備アクションは安息地じゃないと使えないのを無視してました)。

偉い人たちが北イシリエンで大軍勢を連れて役立たずになっているあいだ、各地を駆け回ってリソースを集めてくれたメリー・ピピンのおかげで、いよいよ滅びの山へ行ける……! と思った矢先、思わぬ展開が。敵カードの按配であまり動かないでいた敵軍勢が、カードの按配でするするっと動いて、無防備な闇の森のエルフの王国を占領してしまいました。この凶事でフロドの希望はマイナス3、一気に0=絶望に。指輪所持者は旅の半ばで心が挫けてしまい、あらぬところで「私のものだ!」と叫んでナズグルにぶら下げられて行ってしまったんでしょうね、たぶん。ゲームオーバーです。

ボード左の希望カウンターがゼロ、絶望になっています。右上の奥の方、闇の森の北に赤い軍勢がいますが、あれが敗因です。スランデュイルごめんね。

感想

指輪物語の物語を追体験するようなゲームではなく、キャラクターと目的の組み合わせに応じた様々な可能性や展開を楽しむゲームのようです。カードとサイコロの運の要素もかなり影響強そうですが、勝ちに行くというよりも、戦略を考えながら想定外の展開に対応しつつギリギリで勝てたり、勝てなかったりという、すべてを楽しむゲームですね。場面場面を楽しむゲームという気もします。

アイゼンガルドが強すぎて驚いたり、そしたらエオウィンがナズグルハンターでさらに強すぎて驚いたり、レゴラスにいいところがなかったり、ナズグルが群れをなしていたり、黒門不通でまさかのにらみ合いになったり、メリー・ピピンがとんでもない大移動をしたり、それぞれが指輪物語の世界観の中で創造力を刺激してくれるのが楽しかったです。

セットアップもたいへんだしルールも複雑で、この規模のゲームに慣れていない私にとっては難易度高かったです。ソロでやるにはだいぶ踏ん切りを付けないといけなさそう。人とやるにも説明だけでたいへん。練度の高いみなさんなら大丈夫なんだろうな。

初回でもあったためルールの勘違いや手順の混乱があって、正確なプレイにはなっていないと思います。雰囲気は掴めたんじゃないかなと思っていますが、そうでもないかもしれません。