『成長を支援するということ』(リチャード・ボヤツィス メルビン・スミス エレン・ヴァン・オーステン著、高山真由美 和田圭介 内山遼子訳、英治出版)を読みました。

よかった点:

  • 「思いやりコーチング」と称して、個人の夢を実現するために人生・生活全体に向けた関わりを提唱している
  • 「ポジティブな感情を誘引する因子(PEA)」と「ネガティブな感情を誘引する因子(NEA)」の概念を紹介し、両方をバランスよく(=PEA多めに)使うのが重要と説いている
  • インスピレーションを得て、感情を大事にし、持続する活動を生み出すことで理想の人生を目指すという流れを解説している
  • 人との関係性と、頼れる人的ネットワークの構築を勧めている

よくなかった点:

  • 事例が多い。多すぎる
  • 事例の登場人物が「人並み外れた努力家だった医師」「サッカー一家の3姉妹の末っ子」「15年マネジメント業務ののち博士号のため大学院に入学」など、そもそも際だった人の話ばかり
  • 冒頭(2章の終わり)で、自分自身がコーチングを受けて人生が変わったときのことを思い出すよう促されるが、思い出せなかった。この本はコーチ好き、人間好きな人向けと理解してNEAが発動した

よいことが沢山書いてありますが、すべてコーチングというパッケージにまとめられてしまって、利用・活用しにくくてもったいないなあと思いました